「一心~日本の頂点へ~」進化し続ける強豪

令和7年6月21日、22日に埼玉県・富士見市立市民総合体育館にて、パル薬局presents第32回全日本セパタクローオープン選手権大会が開催された。本学セパタクロー部は学生王者として、それぞれの想いを胸に、今大会に挑んだ。

 セパタクローは「アタッカー」「サーバー」「トサー」の3つのポジションがあり、この3人で1組のチームを作るため、本学の中でも多数のチームが存在する。

 セパタクロー部は、5月31日、6月1日に行われた第○回全日本学生セパタクローオープン選手権大会にて男女ともに優勝を果たすなど、強豪校として知られている。今大会は、Super Division(男子)に2チーム、Men’s Division(一般男子)に2チーム、Women’s Division(女子)に5チームが出場した。

 本学男子チームが初参加となるSuper Divisionは、日本代表クラスの選手や社会人選手などが出場するレベルの高いリーグであり、本学を卒業した社会人選手も多数在籍している。日体Aにサーバーとして出場する主将・佐藤功哉(3年)は「学生大会は優勝して当たり前という気持ちで戦っていたが、今大会は簡単な試合にはならないと思う。自分たちがどれだけ通用するのかを試す貴重な機会でもあるため、チャレンジ精神をもって勝ちにこだわっていきたい」と今大会の意気込みを語った。

1回戦は東京を拠点として活動しているSHIBASHIN LAZO LAC SSKと対戦。相手の足元に突き刺さるような鋭いアタックを拾いきれず、第1セットを7点で落とす。第2セットは、佐藤が得意とする力強く、スピードのあるインステップサーブ※1で得点を重ね、一時は流れを引き寄せた。アタッカー・大角楓馬(4年)も、ここぞという場面で確実に決めるも勝ちきれない。しかし、追い込まれる場面でも決して下を向くことなく、ボールを何度も拾った。その後もアタックをし続けたが、最後は相手に得点を許し、敗れた。試合を振り返り、副主将のトサー・金澤蓮太郎(3年)は「勝てない相手ではなかった。完全な状態でできていれば、勝てたのではないかと後悔が残る試合になってしまった」と悔しさをあらわにした。大角は「けがをしていたため大会を棄権する可能性があったが、チームを組んでいる2人の後輩にこの舞台を経験させてあげたいという思いで、現時点での万全でこの大会に臨んだ。最大の力が出せないからこそ、もっと効率のよい戦い方ができたのではないかと感じた。自分は4年生のため、次が最後の学生大会になる。プレーで後輩たちを引っ張って、必ず優勝したい」と語った。Super Divisionへ出場した2チームはともに1回戦敗退となったが、次戦に向けての改善点や課題が見える大会でもあった。ここでの悔しさを晴らし、優勝を掴み取ってほしい。

 Women’s Divisionに出場する日体aは、前年度同大会で入賞しているため、シード権を獲得している。日体aにサーバーとして出場する原田栞(4年)は「3人で力を合わせ、一つひとつのプレーを大切にし、決勝の舞台に立つ」と今大会の目標を気合い十分に語った。千葉大学bとの1回戦は、2-0と快勝し、準々決勝へと駒を進めた。準々決勝は宮城セパタクロークラブと対戦。アタッカー・櫻井まつり(3年)とトサー・長谷川涼風(3年)の息を合わせた的確なアタックで得点を重ねる。一進一退の攻防が続くも、第1セットを落とす。後がない中、迎えた第2セット。原田の相手コート前方に落ちる絶妙なサーブと、ネットインサーブ※2が決まり第2セットを取る。迎えた勝負の第3セット。序盤から6点差と一気に離されてしまう。この場面を櫻井は「セパタクローをやってきた中で一番苦しい展開だった」と振り返った。それでも相手のブロックを利用した攻撃や、ライン際を狙った攻撃で同点に追いつく。緊張感のある空気が流れる中、原田が攻めたサーブを決めきり逆転に成功。最後は、櫻井の渾身のアタックで、見事に勝利を収めた。原田は「厳しい展開だったが、流れは私たちにあった。あきらめずに食らいついた」と振り返った。

 準決勝A.S.WAKABAaとの試合は『決勝の舞台に立つ』という目標を胸に迎えた。しかし、相手のスピードのあるアタックを拾うことができず、第1セットを落とす。第2セットは序盤から相手に得点を奪われ、0-8と引き離される。それでも一つひとつ丁寧に球を拾い、8点まで迫るも相手に得点を許し9点で敗れ、3位で今大会を終えた。長谷川は「勝機はあった。新たな課題が見つかった試合だった。次の学生大会では、向かってくる相手に対して受け身になるのではなく、どんな試合でも立ち向かっていきたい」と話した。櫻井は「気持ちも技術も誰にも負けない。次の大会では、優勝したい」と今後の目標を語った。

 セパタクロー部は、今年度から新たに阪神酒販Dee’sTC firstのサーバー・笹本将貴を監督、A.Ktippler AFJのトサー・水戸一希をコーチとして迎えた。監督の笹本は本学セパタクロー部出身であり、現在は仕事をしながら、選手として活動している。笹本は「今年度のセパタクロー部は、自分が在学していたときよりもレベルが高く、基礎がしっかりしている選手がそろっている。私は監督として、勝てるチーム、周りを鼓舞できるチームにしていきたい」と展望を明かした。

 今年度から新たな体制でスタートしたセパタクロー部。さらなる活躍に期待したい。

※1 インステップサーブ:足の甲でボールを強く蹴り出すサーブのこと
※2 ネットインサーブ:ネットに当たった後にボールが相手コートに入ること

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