バレーボール部、熱戦の果てにつかんだ3冠

【雪辱を胸に】

 美保/高橋ペアは、第32回関東大学ビーチバレーボール選手権大会、JVA第7回全日本ビーチバレーボールU‐23選抜優勝大会で優勝を果たした。残る全日本インカレでは「日本一」を獲得すべく闘志を燃やした。

 1回戦から準決勝まですべての試合をストレートで勝ち抜き、勢いそのままに決勝の舞台へと駆け上がった。真夏の日差しが照りつける中、迎えた国士舘大学との頂上決戦。2人はハイタッチを交わし、ホイッスルが開始の合図を告げた。試合開始直後、美保のブロックで先制点が決まり、会場からは大きな歓声が上がった。2人は力強くガッツポーズを見せる。その後も高橋の力強いスパイクでリズムをつかみ、順調に得点を重ねて21‐12で第1セットを先取した。

 しかし、第2セットの立ち上がりは相手の多彩なプレーに押され、苦しい時間が続いた。それでも、ここぞという場面で美保が粘り強くブロックを決め、雄叫びを上げる。さらに、高橋が相手の意表を突く鮮やかな一打を放ち得点を奪うと、再び会場は歓声に包まれた。互いに一歩も譲らない白熱した攻防が続くも、最後は高橋のエンドライン際を狙った鋭いスパイクが決まり、21‐17で決着がついた。最終スコアは2-0、国士舘大学との激戦を制した。優勝が決まった瞬間、2人は抱き合い、喜びを分かち合った。

 昨年は先輩が全日本インカレ決勝で国士舘大学に敗れる悔しさを経験し、今年は自分たちが「王座を取り返す」という強い気持ちを胸に、自らのスタイルを貫いて掴んだ優勝。今大会について、美保は「先輩の悔しさを背負って戦い、優勝につなげることができて嬉しい」と述べた。高橋は「昨年は全日本インカレに出場できなかったが、今年はチームを牽引する立場としての自覚や責任感を持って戦い抜き、優勝という形で終えられてよかった」と語った。

 多くの大学が経験豊富な4年生ペアを送り込む中、1セットも落とさず優勝を成し遂げた。試合では、相手の高い技術や攻撃力に押される場面もあった。それでも、ピンチになった時は焦らずタイムアウトを取り、次の1点をどう取るかに気持ちを切り替えていた。高橋は「攻撃に詰まっていた時に美保が『俺らが一番強いんだよ』と声をかけてくれたことで、落ち着いてプレーをすることができた」と当時を振り返った。

 2人の強みは、日常生活から築いた絆にある。「学年は違うものの、授業以外では一緒にいることが多く、何でも話せる仲。お互いを尊重して話し合えるからこそ、自然とチームワークが生まれる」と口をそろえる。加えて、お互いのプレーについて美保は「高橋は器用で、ずる賢く点を取れる選手。不意を突く2本目の攻撃や相手の隙を突いた返球など、同じペアとして頼りになる」と評価し、高橋は「美保は決勝の追い込まれた場面でもブロックを決めてくれる。心強い存在」と信頼を寄せる。「チームワークを高めるために特別な意識はしていないが、それぞれのよい点を見つけて頼れるところは頼る。プレー中は先輩後輩の関係ではなく、2人でひとつになって戦っている。ペアのことを考え、お互いを思いやる関係性も支えとなっている」と笑顔で話す姿から、2人の強さの秘訣が垣間見えた。

 今後について、美保は「将来の夢は高等学校の教員になること。ビーチバレーボールはマイナースポーツだからこそ、生徒たちに魅力を伝えていきたい」と卒業後の展望を描いた。高橋は「プレーだけではなく人間性でも目標とされる選手になりたい」と抱負を語る。

 粘り強さと信頼関係で勝ち取った念願の「日本一」。2人の挑戦は、これからも続いていく。

優勝を果たした美保・高橋ペア

【ビーチバレーってどんな競技?】

・砂浜を舞台とした過酷なスポーツ 
・1チーム2人で構成され、選手の交代がない
・全員が『レシーブ』『アタック』『ブロック』を行う(ポジションの規定がない)    
・指先を使ったフェイント(指先でボールをコントロールすること)が禁止 
・コートの環境が異なるため、両チームの合計点が7の倍数になるごとにコートチェンジを行う
・ビーチバレーボール特有の駆け引きが見所!
・観客席との距離が近く、迫力を間近で感じることができる!  

【お互いへ】

 美保幸輝 ▶▷▶ 高橋大地
 「来年はさらに敵が増えるが、気にせず自分らしさを出してプレーしてほしい。」

 美保幸輝 ◀◁◀ 高橋大地
 「また一緒に組んで三冠を狙いたい。」

【選手プロフィール】

◎美保幸輝…生年月日:2004年11月20日 身長:180㎝ 学部・学科:体育学部体育学科 出身地:千葉県松戸市 出身校:千葉県・千葉商科大学付属高等学校

◎高橋大地…生年月日:2005年9月22日 身長:176㎝ 学部・学科:体育学部体育学科 出身地:神奈川県茅ケ崎市 出身校:東京都・私立駿台学園高等学校

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