【日体大スポーツ編集局】陸上競技部 男子 駅伝ブロック

こんにちは!

今回は、123日に開催された97回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)について掲載します。

新型コロナウィルス感染症の影響で、大会の開催さえ危ぶまれた今年の箱根駅伝。

大会を運営する関東学生陸上競技連盟が掲げた「応援したいから、応援にいかない」というモットーの下、例年沿道での取材に出ている私たち総務部も各自、自宅からの観戦となりました。

 

本学陸上競技部駅伝ブロック男子は玉城良二新監督の下、限られた時間、限られた環境の中練習を重ねてきました。昨年の大会結果により第97回箱根駅伝予選会(以下、予選会)からの出場となった本学でしたが、予選会を6位で通過し、箱根駅伝への出場権を掴みます。

コロナ禍の練習について玉城監督は「箱根駅伝という明確な目標があったため、主将を中心に常にモチベーションを保つ取り組みができていた」と振り返り、監督就任初年であることに関しては「学生競技者としての基本生活を大切にした姿勢と、学生とのコミュニケーションを大切にしていた」と話されました。玉城監督について駅伝ブロック主将・嶋野大海選手(4)は「自分たちのやり方を尊重してくださり、選手と先生の歯車が上手く噛み合っていたと思う」と話し「昨年の悔しさは他校とは違うものがある。必ずこのチームでシード権を獲得します」と強い意気込みを口にされていました。

箱根路への号砲が、例年とは打って変わって静寂の大手町に鳴り響き、21名の選手が一斉に走り出しました。

本学1区を担うのは昨年5区の山登りを経験した藤本珠輝選手(2)。レース序盤は各選手が仕掛けるタイミングを見計らう遅いペースでのレースとなり、集団の中心に位置した藤本は16㎞地点で集団の外側に出てくると、首位争いを展開。徐々に集団が縦に伸びると、第二集団の先頭で首位集団を懸命に追いかけ、8位で襷を渡します。

花の2区を走ったのは池田耀平選手(4)。他校の外国人留学生の活躍が目立つ中、池田選手は4位を争う大きな集団の先頭に立ちます。その後、3位の選手に集団が追いつき8人の3位集団になるも先頭を維持し、10㎞地点でついに集団を突き放します。17㎞地点で2位との距離を詰め、20㎞地点ではその差を10秒まで詰めます。快調な走りを見せた池田選手は、2区日本人トップの個人記録で、3位で襷を繋ぎました!

この結果について池田選手は「自分自身での目標は66分台での区間賞、或いは日本人トップを目指していたので、タイムとしては最後の坂で粘れず伸ばせなかったが、結果として日本人トップをとることができてよかった」と振り返りました。

3区を走ったのは昨年同区を走った岩室天輝選手(4)7㎞地点で2位争いをしていた集団が崩れると、岩室選手は6位に位置します。その後も大きく腕を振り懸命に前の選手を追いますが、平塚中継所では首位との差236秒・10位で襷を渡しました。

4区を走ったのは福住賢翔選手(4)8㎞地点で早稲田大学、神奈川大学と7位争いを繰り広げます。酒匂橋では再び順位を落とし小田原中継所での首位との差は444秒・11位で5区の村越凌太選手(2)に襷を渡しました。

激しい上りが待ち受けている往路の最終・5区。小田原中継所を勢いよく飛び出した村越選手は小涌園前を通過してから、顎が上がり苦しそうな様子を見せるも一歩一歩着実に山を駆け上がっていきます。しかし、他校の選手の懸命な走りもあり、順位は後退。15位で芦ノ湖のフィニッシュテープを切りました。

往路は5時間36分・首位との差830秒で、翌日の復路での巻き返しに期待が懸かります。

 

迎えた復路、6区を任されたのは4年生で初出場の菅沼隆佑選手。例年と比べ観客の少ない山の中を、前を行く選手を捉えようと、7区・森下滉太選手(4)が待つ小田原中継所を目指し懸命に走り続けます。苦しそうな表情で中継所に入った菅沼選手は16位で襷を渡しました。

7区を走る森下選手は、当日のオーダー変更で起用された選手。国府津駅前では前を行く国士舘大学の選手を捉え、二宮で抜き去ると14位・拓殖大学との差を13秒に縮めます。その後、大磯で拓殖大学を抜くと6区から順位を二つ上げ、14位で平塚中継所に入りました!

8区・大内宏樹選手(3)も当日のオーダー変更で主将に代えて起用された選手。背後につけてきていた拓殖大学、復路3位の輝きを見せた中央大学に越されるも差を広げられることなく、戸塚中継所16位で襷を渡しました。

9区を走るのは、昨年の箱根駅伝で襷を繋ぐことのできなかった野上翔大選手(4)。前方に選手が見える状態で襷を受け取ると、安定した走りで二つ順位を上げ、区間5位という好成績を残し14位で鶴見中継所に入ります!

去年と同じような悔いが残らないようにしたいという思いで今大会に臨んだという野上選手。自身の走りについて「前を追っていく展開は練習でやっていた展開だった。手応えというよりいつも通りの走りができた。区間順位についても終わってから知ったことで、狙ってはいなかった」と冷静に分析していました。

最終10区を任されたのは名村樹哉選手(2)。初めての箱根駅伝出場となる名村選手は野上選手から襷を受け取ると、力強い走りで新八ツ山橋付近では13位に浮上。その後、肩を大きく揺らし苦しそうな表情を浮かべて14位で日本橋に入ると、すぐ後ろには拓殖大学、関東学連チームの姿も見えましたが、最後の力を振り絞りそのまま14位で大手町のゴールテープを切りました。

本学は総計11時間10分24秒、復路13位、総合14位という結果となりました。

 

最後に、本大会を支えた2区・池田選手と9区・野上選手から今後の本学駅伝チームに期待すること、後輩へのメッセージをいただきました。(原文ママ)

【池田選手】

「近年どのチームも力を付けていて、一人の突出した選手がいるだけでは上位に入ることは難しい状況です。一人ひとりがエースになる、強くなりたいという強い気持ちを持って競技に取り組むことが必要になると思います。(次期)4年生を中心にそういったチーム作りを目指して今後、頑張ってほしいと思っています」

【野上選手】

「日体大の駅伝は、全員で襷をつなぐことが強みであるから『全員駅伝』で引き続き頑張ってほしい。特に最上級生が後輩たちの見本となるようにチームを引っ張ってほしい。大学での競技生活は4年間。長くもあるけど、あっという間でもあるから悔いだけは残して卒業することはないようにしてほしい。日体大 頑張れ‼」

【夏合宿の際の集合写真】

 

どのような状況にも屈さず懸命に走る選手の姿は、画面を通しても胸が熱くなるものでした。今後の活躍を期待するとともに、皆様の健康で安全な生活を心よりお祈り申し上げます。

お忙しい中、取材にご対応くださった方々、ありがとうございました。

 

本文/長谷 美聖

写真提供/学友会陸上部 駅伝ブロック 男子マネージャー・野尻 康太朗さん

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